読書メモー蔭山克秀『マンガみたいにすらすら読める哲学入門』ー
ー蔭山克秀『マンガみたいにすらすら読める哲学入門』ーが面白かったので、読書メモとして、ブログにも記録することにした。
本当にマンガみたいにすらすら読めて、予備校の講師ならではの雑談を交えた、講義をより深く理解する具体例など(主にマンガネタ)が面白かった。
哲学は以前から興味があったが、中々手が出せなかった。今回、この本を読むことによって、おおざっぱな西洋哲学史を知れたような気がする。
特に自分の興味をひいた哲学者はデンマークの思想家キルケゴールだ。
彼は実存主義の祖と呼ばれている。
実存主義とは平たく言えば、
・自分はこうあるべきだ
・自分にとってだけの真理
を求めた哲学だ。
この哲学の生まれた背景には資本主義の発達により、個人が社会の歯車、部品として扱われるようになり、個人の存在が危ぶまられたからだと、本では解説している。
以前の記事で、自分は社会の歯車みたいな感じが嫌で、自分はどうありたいのかみたいなことを書いた。このキルケゴールの哲学を知ると、僕らの生きている時代は、キルケゴールの生きていた時代と同じく(キルケゴールは1813-1855今からおよそ200年前にいた人だ)資本主義の副作用みたいなものに相変わらず悩まされているのだなと感じる。
自分の悩みは、過去の哲学者も同じように悩んでいたのだ。そう思うと少しだけ心が救われる。時空を超えて過去の哲学者と悩みを共感しているような気分になるからだ。
ちなみに彼は、自分はどうやって生きていくべきかという悩みに対し、神を求め、神を信じた。多分この神とはキリスト教の神であると思う。
残念ながら僕はキリスト教を信仰しているわけではないので、彼の解決策は適用できない。でも、現実社会で自分がどうあるべきかという問いをすることが大事であって、解決策は自分でこれから探していけばいいんじゃないかと思っている。大事なのは解決に至るまでのプロセスだ。だから僕はキルケゴールが実存主義という哲学をつくったプロセスを知り得ただけでも、とても参考になった。
ー自分はどうありたいか、それは実存主義という哲学になるー