まさか一文字ですか。漱石さん。最高ですよ。
手書きで日記帳に書いているが、どうも億劫になったりして、書いたり書かなかったりする。別に毎日書くことを自分に義務付けているわけではないが、何よりも困ったことは、日記を書くことそのものを楽しめない時があるということだ。
どうも僕は筆下手で、書くという行為そのものが億劫になりがちだ。自分が筆下手ということをよくよく考えてみると、そもそも日記の書き方がよくわかっていないということに気づいた。
そのことを妻に話したら、「他の人の日記を参考にすればいいんじゃないの」と言われ、なるほどと妙に納得できたので、夏目漱石の日記を買ってみた。
夏目漱石のことだから、さぞびっしりと、理路整然と書かれていると思いきや、あまりにも簡略に書かれていたので、思わず肩の力がぐにゃりと拍子抜けしてしまった。
日記の内容はざっとこんな感じだ。
九月九日(日)
十時神戸着、上陸。諏訪山中常盤にて午餐を喫し、温泉に浴す。夜、下痢す。晩餐を喫せず。
事実を簡潔に書いてて、所感たるものはない。下痢という事実を書いてるのがおもしろい。さらに本のページをパラパラめくると
九月二一日((金))
晴。
まさか一文字ですか。漱石さん。最高ですよ。
こうして明治の文豪、国民作家と言われた漱石が、一文字の日記を書いてたことを知ると、今まで自分が日記の形式にこだわってて、逆に筆が進まなかったことを悟った。
もっと自由に簡単に書けばいいんだ。そういえば自分はブログだとタイピングが進む。きっとブログは自分にとって形式が存在してないからだ。だから自由になれる。日記も同じようにすればいい。今日自分が日記を書くならこんな感じにしてみる。
3月19日(木)
仕事中、動悸がした。帰宅後、漱石の日記を読む。彼の日記では一文字で記した日もあるので、我、日記に対して大いに自由な気持ちになる。