内田百閒という作家の本を初めて読んだ。
夏目漱石の門下生の一人だったらしい。
そのせいか文章が読みやすく、上手い印象を受けた。
でも彼の書く物語は奇妙な話が多い。なくなった夫の遺品を主人公に尋ね続ける未亡人の話は特に印象に残った。どこかその未亡人が変なのだ。でも内田百閒の文章が上手く、ついつい読み続けてしまう。そしてどこか怪奇的な要素がありつつも、何か情緒的なものを感じる。そういう不思議な話だった。
今、書いててその話のタイトルを思い出した。
サラサーテの盤だ。
僕はストーリーの構成よりも文章が上手い作家が好きなのかもしれない。