読書メモー養老孟司『まともな人』ー
養老孟司さんの語り口調が好きで、彼の著作を目にするとつい手に取ってしまう。
ただ内容はもうほとんど覚えていない。たしかこの本は2週間ぐらい前に図書館で借りた。
ほとんど内容を忘れたが、その中でも記憶に残っているところは、養老さんが意識と無意識の関係を述べていて、現代社会は意識中心の社会に問題があると言っている。
人の意識とは物事を秩序立てて考えることである。でも人は必ずしも24時間意識に集中できない。かならず睡眠の時間を通して、無意識の時を過ごす。
つまり、意識と無意識はどちらにも偏ることができない。それなのに今の時代は何事も全て意識中心で秩序立てた世の中を作ろうとしているから、おかしなことになる。意識中心ということは、どこかでかならず無意識つまり無秩序なところを生み出していると、養老さんは指摘している。
意識によって秩序立てられた都市空間の裏では、大量のごみ処理やエネルギー消費などの無秩序はその例である。
僕の中で意識中心だと感じる最近のキーワードは
健康管理、ライフプラン、自分磨き、都市空間、アンチエイジング
などだ。
これらは全て意識的なものだ。だけど、僕らは無意識の世界にも生きている。そのせいか、この意識中心で秩序立てられてた社会に息苦しさを感じるのは、やはり僕らは意識と無意識、つまり秩序と無秩序の間を行き来している存在に他ならないからだろう。