しなければいけない。いつしか趣味が義務になっていた。
しなければいけない。
仕事で追われる平日のみならず、休日も焦燥感に駆られていた。
自分に自信がないから、自信をつけるために無意識に何かをしなければいけないと思うようになっていた。
だから気づけば休日も何々をしなければいけないと思うようになっていた。
いつの間にか趣味もこんな思考になり、いつしか趣味が義務になっていた。
趣味をしなければいけないと。
本来は気持ちを休めるための趣味なのに、いつの間にか自分に自信をつけるのが目的となってしまい、気持ちを休ませるどころか疲れさせるものになっていた。
本を読むのも写真を撮るのも自転車に乗るのも、自分の能力の向上を主として考えていた。
だから逆に趣味が億劫になり、休日に何もできなくなっていた。
でも本来の趣味はそうじゃない。
ただ純粋に楽しめればいいんだ。
能力の向上とか考えず、まずは楽しめればいいんだ。
そしてやりたくないときはやらなくていいんだ。
それが趣味なんだから。
そんなことを思いながら、久々に写真を撮りにふらっと群馬まで行った。
その公園は妙義山を見渡せる高台にある。
雨上がりの夕暮れ時にシャッターを切ったが、夕焼けに照らされた雲海が幻想的だった。
久々に写真を純粋に楽しめた。
しなければいけないではなく、やりたいからやるというシンプルな気持ちで写真と向き合うことが出来た。
夕暮れと雲海
黄昏時の妙義山
しなければいけないではなく、やりたいからやるというシンプルな理由でやっていこう。