ぽろっぽの日記

人生、読書、健康、つれづれ。ー日々感じたことを言葉と写真で表現したいー

『読書メモ』日光という地名の由来について

今朝は7時に起きたが、相変わらずあまり寝れなかった。

今日は散歩やラジオ体操をする気も起きなかったので、家の玄関でコーヒー牛乳を飲みながら煙草をふかしていた。休日の朝という事もあり、外は静かであり、ツクツクボウシが控えめに鳴り、秋の訪れを徐々に告げていた。連日猛暑日が続いているが、今朝は割合に涼しく、玄関に立っていると、外の風が吹いてきて気持ちがいい。

 

とにかくゴロゴロしたい気分なので、煙草を吸ったら、ソファーで横になりながら、相変わらず宮本啓一『わかる仏教史』を読んでいる。ページをめくっていると、栃木の日光の地名の由来がでてきた。地名というものは諸説あるものなので、どこまで正しいかわからないが、個人的に日光は好きな場所なので、こうして読書メモをとることにした。

注)以下の文章は僕なりに要約したものであるので、より正しい知識を得るには『わかる仏教史』を読んでいただきたい。

 

日光という地名はそもそも観音菩薩(観音様)の住まいであるとされる「補陀落(ふだらく)」という語源までさかのぼる。

 

この補陀落という場所はインドの架空の地とされ、前は湖、後ろは高い山があり風光明媚な場所にあるとされる。この補陀落の湖は中禅寺湖に相当し、高い山は男体山に相当するということだろう。

 

だから日光は補陀落浄土とされていた。要は観音様が住んでいる場所を具体的にイメージしやすかった場所なのだろう。

 

補陀落と呼ばれていた日光は言葉がなまり二荒(ふたら)と呼ばれるようになる。現在も日光にはニ荒山神社というのがあり、当時の補陀落の言葉のなまりが伺える。

 

そしてニ荒が音読され「にっこう」となり、日光という字が当てられるようになった。

 

日光は元々お坊さんが開いた場所でもあるので、この話は中々おもしろかった。そして地名と言うのは適当につけられたのではなく、当時の人々がどんな価値観を持っていたのかがわかる。

 

日光が補陀落と呼ばれていたからには、お坊さんはさぞ悟りへの強い意志と、憧れを抱いて日光にきていたに違いない。

 

今の僕たちは別にお坊さんでもないので、単に観光名所としていく人がほとんどだと思うが、風光明媚な場所というのはどこか宗教的で神秘的な雰囲気もたらすのだろう。今みたいに科学が発達していない時代、宗教が人生において大きな意義をもっているだろうから、そうした宗教にちなんだ地名が名付けられるのは大いに納得する。

 

f:id:great1-1geist:20190929114237j:plain

ーかつては観音様が住む補陀落浄土とされていた日光。たしかにこの風景を見ると、当時の人が観音様がいると思っていても不思議ではないー