ぽろっぽの日記

人生、読書、健康、つれづれ。ー日々感じたことを言葉と写真で表現したいー

夏目漱石もやりたいことがわからなかった時期があった。モヤモヤした気持ちに真正面から取り組むことでやりたいことがわかるかも 

やりたいことがわからない

将来の夢がない

生まれてきた以上何かを成し遂げたいが、何をやりたいかわからない

 

そんな悩みを持たれている方は今回のエントリは少し参考になるかもしれません

実は以外かもしれませんが、かの文豪、夏目漱石もやりたいことがわからない時期がありました。彼は当時の状況を『私の個人主義』でこう告白しています。

 

私はこの世に生れた以上何かしなければならん、といって何をして好いか少しも見当が付かない。私はちょうど霧の中に閉じ込められた孤独の人間のように立ち竦んでしまったのです。『私の個人主義夏目漱石

 

彼がやりたいことがわかったのは30過ぎてからです。そういう意味では彼は遅咲きだったと言えるでしょう。

 

僕自身もやりたいことがわからず悩んでいました。正確に言うと現在進行形でもあります。最近になって、少しずつやりたいことがわかるようになってきた、そんな感じです。

 

僕がこのやりたいことがわからないという病にかかったのは大学時代でした。特に将来の目標があって大学に入ったわけではないので、授業には興味が持てないまま大学生活を送っていました。しかし、ある時このままでいいのか?そんなモヤモヤした疑問がふとよぎりました。自分の人生、このまま目標を持たず、ただなんとなく就職して、家庭を持って、それなりの趣味を持って、一生を終える。

「そんな人生は絶対に嫌だ」

でも自分は何をやりたいかわからない・・・。

当時の僕は本当に途方に暮れていました。

 

結局僕はどうすればいいかわからず、勉強にも身が入らず留年してしまいました。

留年している時はとにかくひたすら本を読んでいましたが、相変わらずやりたいことが見つからず、とりあえず就職することにしました。

 

仕事を一生懸命やればやりたいことが見つかるかもしれないと思い、自分なりに一生懸命やりましたが、仕事でもダメでした。そもそも僕は仕事人間にはなれないと仕事をして改めて感じました。

 

その時少しわかったのです。

自分は仕事でやりたいことを見つけようしていたから見つからないのではないかと。

仕事という狭い枠ではなく、自分の生活そのもの、生き様と表現したら良いでしょうか。もっと広い枠で見つけたらいいのではないかと。

そもそも仕事で見つけようとしていたのに、自分は大学時代の留年の時に、アルバイトで色々な仕事をするのではなく、読書していました。つまりこの時から自分はすでに仕事でやりたいことを見つける気はなかったのだと思います(家庭教師、喫茶店、派遣などのアルバイトは既に経験済みだった)。身体は正直だったんですね。でも自分は無理矢理「仕事でやりたいことを見つけなければいけない」そんな価値観に無意識に縛られていました。

 

僕は就職5年目にしてそのことがわかり、それがわかった瞬間、スーッと肩の荷が下りた感覚になりました。より自由に、より柔軟に物事を考えられるようになった気がしたのです。

 

まだ具体的にやりたいことはわからないけど、仕事重視の生活ではなく、仕事、プライベート、全体を充実させたい、

それが率直な気持ちでした。

 

不思議なことに自分の気持ちを率直に表現することで多くのことに好奇心が持てるようになりました。そして僕は仕事、プライベートの充実、好奇心を満たすために、あっけなく転職に踏み切ることができました。なんとなくですが、好奇心を満たすことが今度のやりたいことがわかるキーポイントであるような気がします。

 

このようにして僕は自分のやりたいことが少しだけわかるようになりました。モヤモヤした気持ちにごまかすことなく向き合い続けたきたからこそだと思います。もし、向き合わず、他人の価値観、世間の価値観に無理して合わせようとしていたら、やりたいことが見つかるのはもっと遅かったと思います。自分の気持ちに素直に耳を傾ける。これまでのエントリでも何回も言っていることですが、やはりこれに尽きると思います。夏目漱石も同じようなことを言っていました。

 

漱石は大学で英文学を専攻していましたが、当時、西洋人が批評する英文学と自分の批評が一致しませんでした。彼はそこにモヤモヤを感じていたのです。恐らく他の日本人もそのモヤモヤした気持ちを抱えていましたが、自分の気持ちをごまかし、西洋人の批評を鵜呑みにしていました。しかし漱石は違いました。漱石はそのモヤモヤを真正面から取り組み、なぜ自分がモヤモヤした気持ちをするか突き止め、それが彼の文学の原点にもなりました。そのようにして彼はやりたいことがわかってきたのです。

 

モヤモヤした自分の気持ちに対して真摯に向き合うことが大切だと『私の個人主義から僕は教わりました。機会がありましたら是非読んでみてください。下手なハウツー本よりよっぽど有益な読書体験になると思います。

 

このエントリが少しでも参考になったら嬉しいです。