世界と自分を結び付ける儀式 指頭確認喚呼
さいたま新都心駅を通過するとき、いつも心が落ち着く
前は線路と信号機とがあり、横にはスーパーアリーナと高層ビルの夜景だ
貨物列車を運転しながらの夜景を楽しめるのは僕ぐらいだろう
自分が1300トンもの荷物を牽引しているのは何とも言えない
この鉄の塊ともいえる列車の主としての緊張感、優越感を感じるとともに、
この駅を通過するときの安らぎは言葉では表現できない
「さいたま新都心通過、浦和まで注意事項なし」
時刻表で指頭確認喚呼するのは一つの儀式だ
単に会社の規程で決められているからやっているのではない
これは自分にとって大切な儀式だからやるのだ
自分が今のこの場所で、この空間で、この状況を、そして世界の存在を確認するために行っているのだ
僕にとってこれが世界と自分を結び付ける神楽である